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ニュース
テレビの性質を考えると、「正確だがつまらない情報」よりも「多少間違っていても面白い情報」の方がより好まれる傾向にあると思います。
スポンサーがいて、視聴率を取らないとならない関係上、「面白い」が最優先だからです。
それは、一般に事実を伝えていると認識されている「ニュース」も例外ではないのではないかと思いました。

例えば、野球やサッカーの結果は大多数の人の趣味と密接に関わってますし、先日の「ゼロ金利解除」などのニュースは生活に密接に関わってますから、ネタとしては興味を持たれやすい事柄なんだと思います。
一方で、自分の生活とは一切関わりがない「何処の誰が誰々を殺した」といったニュースも大きく取り上げられています。
知らなくても良い情報なのに、連日放送されていると言うことは、視聴率が取れると言うことであり、多くの人が興味を持っていると言うことです。
被害者の人たちには大変申し訳ないんですが、「他人の不幸」に勝るエンターテインメントは無いのかもしれません。

エンターテインメントなんですから、その内容はショッキングであればあるほど良いと思います。
いわゆる「異常」であればあるほど、連日放送される率が高いように感じます。
すると「最近は凶悪な(異常な)犯罪が多い」と認識されやすくなるのではないでしょうか。

一昔前とは、「言葉」が変わっています。
例えば、以前なら「生活態度を注意されたのに腹を立て、父親を刺殺」のように報道されていた事件も、「ゲームのやり過ぎを注意した父親に逆上、メッタ刺し。キレやすい未成年」のようにセンセーショナルに報道してしまえば、あっという間に異常犯罪のできあがりです。
前者なら興味も持たずにスルーしてしまうかもしれませんが、後者であった場合は「最近の若者は〜」と評論家の人が蘊蓄を並べる展開になりそうな気がします。
生活習慣や趣味が多様化したことで、必然的に言葉も多様化しています。
従って、「異常」を定義する言葉も増えたことで、「異常な犯罪」も増えたという側面もあるんじゃないかと思いました。

というか、そもそも「報道される」に値する犯罪は異常なんです。
日常の出来事だったら報道する必要がありませんから。
例えば、殺人事件は年に1200〜1400件程度で安定しているようです。
一日当たり3〜4件です。
ニュースで取り上げるにはちょうど良い量ですし、この中からセンセーショナルなものを選んで繰り返し報道すればいいわけです。
一方で自殺者は年間に3万人を超えています。
これを報道するとなると名前を読み上げるので精一杯。
大きな問題だと思うんですが。
殺人事件が報道されなくなったときこそ、「凶悪犯罪が増えている」と認識すべきなのかもしれません。

特定の事件が報道されなくなったとき、それはその事件が解決した時ではなくて、「エンターテインメントとしての価値を失ったとき」、つまりは「飽きたとき」です。
騒ぐだけ騒いで、あとはお終い。
事件の使い捨てですね。

というわけで、最近テレビを見ることが少なくなってきました。
スポーツの結果くらいです。
あ、でも今日はNHKの恐竜 vs ほ乳類が見たいです。
今から帰宅しても間に合わないんですけどねorz
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